観光スタイルの根本的な変革について、星野リゾート代表の星野佳路氏はかねてより、長距離移動だけに依存しない「マイクロツーリズム」や、その地域ならではの文化を深く体験する滞在型観光の価値を主張してきた。現在の日本の観光産業は、単なる「集客人数の拡大」から「顧客体験の質と満足度」へと明確に舵を切り直している。
いくつもの観光地を急ぎ足で巡る従来のスタンプラリー型観光から、ひとつの場所に数日間滞在して地元の食や自然をじっくり堪能するスタイルへのシフトが進む。こうした滞在型の過ごし方は、混雑の緩和に貢献するだけでなく、旅の疲れを最小限に抑え、旅行者自身の満足度を最大化させる。量から質への転換が、旅行者と受け入れ地域の双方に豊かな実りをもたらしている。