零余子の悲劇性を語る上で外せないのが、担当声優である植田佳奈の圧巻の演技である。数多くの主役級キャラクターを演じてきたトップクラスの実力派が、わずか数分で絶命するキャラクターにキャスティングされた事実は、当時多くのアニメファンに衝撃を与えた。
無惨の冷徹な声のトーンに追い詰められ、声を震わせながら必死に命乞いをする零余子の演技は、聴く者の耳に恐怖の生々しさを刻み込む。悲鳴とも嗚咽ともつかない極限の焦燥感は、熟練の演技力があって初めて成立したものだ。贅沢すぎるキャスティングによって、彼女の最期は単なるモブキャラクターの退場ではなく、観客の心に重く突き刺さるドラマへと昇華された。