トップ女優として名実ともに頂点を極めつつあった1985年、悲劇が突然訪れます。舞台『愚かな女』の公演中、激しい頭痛と体調不良を訴えて緊急入院。診断された病名は、当時不治の病と恐れられていた「急性骨髄性白血病」でした。
無菌室での過酷な抗がん剤治療に耐え、副作用による激しい脱毛に悩まされながらも、夏目雅子さんは「必ず舞台に戻る」という強い信念を抱き続けていました。治療の成果により一時的に病勢が抑えられる完全寛解に達したものの、抗がん剤によって著しく免疫力が低下していた身体を重度の肺炎が襲います。懸命の救命処置も及ばず、1985年9月11日、27歳というあまりにも早い命日を迎えることとなりました。彼女の急逝を伝えるニュースは、列島中に深い哀悼の涙をもたらしました。