今期の幹部異動における最大の焦点は、各省の頂点に立つ事務次官ポストをめぐる激しいレースの行方であった。財政規律の維持と積極財政派の圧力を受ける財務省では、主計局長からの本命昇進が確実視されていたものの、官邸側との緻密な調整を経て電撃的な着地をみた。一方で、GX(グリーン・トランスフォーメーション)や半導体支援の戦略を担う経済産業省においても、主力局長からの次官登用が決まり、産業界との連携強化を打ち出す方針だ。
次官級レースの舞台裏では、単なる年次や省内評価だけでなく、政策実行力と与党幹部との調整能力が合否を分けた。主要政策の推進役として登用された新たなキーマンたちは、国際情勢の緊迫化やインフレ対応といった山積する課題に対して、即戦力としての手腕を問われることになる。