いわゆる「Z世代の酒離れ」が語られて久しい2026年だが、ここでの光景はその言説を鮮やかに裏切る。若者たちがテーブルに並べているのは、ビール大ジョッキではなく、個性豊かなクラフトジンや低アルコールのナチュラルワイン、そして色鮮やかな小皿料理の数々だ。
スパイスでマリネされた砂肝のコンフィ、季節のフルーツと濃厚なリコッタチーズの白和え、花椒がピリリと効いた自家製ソーセージ。どれもポーションは小さく、価格は誠実。自分のペースで、自分の好きな味を少しずつつまみ取るスタイルが、他人のペースに巻き込まれたくない現代人の気まぐれな欲望に心地よく寄り添う。一口ごとに広がる驚きが、静かに会話を弾ませていく。