習ファミリーに対する中国国内の世論と、在外中国人や国際社会の視線には、極めて大きな乖離が存在します。中国本土の言論空間において、指導者の家族について言及することは厳格な検閲対象であり、微博(Weibo)や小紅書(RED)で家族の名前を検索しても、公式報道以外の個人発言は瞬時に削除されます。
中国国内の一般市民の間では、父・習仲勲氏に対する歴史的な敬意や、彭麗媛氏の卓越した歌唱力に対する純粋な親しみが今なお根強く残っています。中高年層にとって彭麗媛氏は青春時代のアイドルであり、「国民の国母」として受け入れられている側面は否定できません。
対照的に、X(旧Twitter)や海外の中国語掲示板、日本の5ちゃんねる等では、親族の外国籍疑惑や莫大な隠し資産に対する辛辣な批判が渦巻いています。「指導層は国民に愛国と自己犠牲を強いる一方で、自らの家族は西洋のパスポートを持ち、欧米の不動産に資産を逃避させているではないか」という不信感です。
この二重基準は、習政権が掲げる「共同富裕」や「反腐敗運動」の信憑性を根底から揺るがしかねない火種です。一般庶民の役人がわずかな賄賂で投獄される一方で、最高権力者の親族のビジネスが不問に付される構図に対する鬱屈した不満は、検閲の網をくぐり抜けて符丁や皮肉としてネットの深層に漂い続けています。