流れる車窓を額縁に見立て、極上の料理に舌鼓を打つ。観光列車「おれんじ食堂」は、単なる移送の空間を至福のダイニングへと昇華させた。デザインを手掛けたのは、数々の名列車を生み出してきたデザイナーの水戸岡鋭治氏。木目のぬくもりを感じさせるシックなインテリアと、東シナ海のエメラルドグリーンが見事に調和している。
便ごとに趣を変えるメニューには、阿久根の伊勢海老や出水の黒豚、沿線で採れたばかりの柑橘類がふんだんに盛り込まれる。地域の観光業と深く結びついたこの列車は、食の宝庫・南九州の息吹をダイレクトに五感へ届けてくれるのだ。潮風を感じながら味わう本格コースは、まさに旅のクライマックスと言っていい。