逮捕から起訴前の勾留、そして公判へと進むプロセスにおいて、国選弁護人をただ待っているだけの姿勢は致命傷になり得る。警察の取り調べは逮捕直後から過酷を極めるが、国選弁護人が正式に選任されて留置場にやってくるまでにはタイムラグがある。この空白の初動期間に不用意な供述調書にサインしてしまえば、後からどれほど優秀な弁護士がついたところで、最高裁判所の法廷まで持ち込んでも結果を覆すことは至難の業だ。
国選弁護人を活用する最大のポイントは、「取り調べに対するアドバイスを徹底的に引き出すこと」と「家族との連絡窓口として機能させること」だ。被疑者が持つ最も強力な武器である「黙秘権」を行使すべきか否か、どの事実を認めてどの部分を争うべきか、弁護士の見解を具体的に問いたださなければならない。受け身の態度を捨て、自ら事件の矛盾点やアリバイを整理して弁護人に渡す主体性がなければ、国選のポテンシャルを引き出すことはできない。