彼女のキャリアを語る上で外せないのが、宝塚時代における男役から娘役への転身という異色の経歴だ。この転身が、彼女のダンスや立ち振る舞いに他の追随を許さない骨太な軸をもたらした。
単に「可憐で守られる女性」を演じるのではない。重心の低い確かなステップ、背筋を通る強靭な体幹、そして空間全体を支配するダイナミックな体躯の使い方。その身体性は、グランドミュージカルの大劇場においても決して埋もれることがない。
ドレスの裾を一翻するだけで客席の空気が一変する。それは長年の鍛錬と、男役時代に培った空間認識能力が見事に融合した結果と言えるだろう。