今回、本誌の取材に対して明かされたのは、舞台での張り詰めた表情からは想像もつかない舞台裏の未公開エピソードだ。稽古場でのリハーサル時、田中泯と向き合う緊張感あふれる時間の中で、言葉ではなく互いの気配と皮膚感覚だけで呼吸を合わせるという。「事前のアフォーダンスや細かい取り決めは存在しない。その場の環境と気配を感じ取るだけの時間が何時間も続く」と表現の現場を振り返る。
師弟関係を超えた二人の絆は、互いの存在を極限まで高め合う共振関係と言っていい。妥協を許さない稽古の合間に見せるふとした表情や、過酷な自然環境の中で身体を研ぎ澄ます日常の裏側には、表現者としての純粋な執念が息づいている。