このような物との付き合い方は、視覚メディアを通じても世界中に拡散している。北欧フィンランドの映画『365日のシンプルライフ』は、持ち物をすべて倉庫に預け、1日に1つずつ必要な物を取り出していく実験的な生活を描き、物と人間との関係性を根底から問い直した名作として今なお語り継がれている。
また、Netflixで人気を集める数々のライフスタイル系ドキュメンタリー番組や、YouTubeで何百万回も再生されるリペア(修復)動画は、物を取り戻し育てるプロセスの美しさを雄弁に伝えている。かつて主流だった大量購入動画に代わり、今や古い道具を手入れして蘇らせるコンテンツが若い世代の共感を呼ぶ時代だ。ライフスタイル・メディア産業全体が、使い捨ての快楽から「愛着と持続性」を美徳とするストーリーラインへと舵を切っている。