中原中也を語る上で欠かせないのが、太宰治との伝説的コンビ「双黒(そうこく)」の存在です。かつて一晩で敵対組織を壊滅させ、ヨコハマの裏社会を震撼させた最悪の二人組であり、互いに「大嫌い」と公言しながらも、戦場における呼吸の一致と信頼度は作中随一を誇ります。
中也の人間性と生き様は、数多くの印象的なセリフにも如実に表れています。自らの誇りと組織を背負う彼の言葉は、多くの読者の心を揺さぶり続けています。
「二度目はなくってよ」というコミカルな掛け合いから、組合(ギルド)編で汚濁を発動する際に言い放った「おい太宰、お前はもう相棒じゃねェ。だが手前が失敗(ヘグ)ったら殺すぞ」という言葉には、憎まれ口の裏にある絶対的な命の預け合いが凝縮されています。また、「羊」の仲間たちを最後まで責めず、「組織を背負う重み」を自覚した青年期のセリフなど、義理堅く一本芯の通った精神性が随所に散りばめられています。