情報過多の時代におけるメンタルヘルス発信の第一人者である精神科医の樺沢紫苑氏は、著書や講演を通じて「我慢はよくない」のメカニズムと具体的な処方箋を説き続けている。樺沢氏によれば、ストレスを感じた際に最も危険なのは「何も言わず、何もしないまま溜め込むこと」だという。脳は吐き出されない感情を無限ループで再処理し続け、脳疲労を加速させるからだ。
この危機的状況を回避する鍵として樺沢氏が提唱するのが、感情の「言語化」と「アウトプット」である。紙に自分の今の気持ちを殴り書く「ブレインダンプ」や、信頼できる第三者に愚痴ではなく事実と気持ちを語る行動が、脳の前頭前野を活性化させ、偏桃体の暴走を鎮める。感情を溜め込まず、小出しにして言語化する習慣こそが、過酷なストレス社会で脳を守り抜く防波堤となる。