近年のエンターテインメント業界は、ファンの熱量に依存するビジネスモデルを極限まで推し進めてきた。CDの複数枚購入、ライブの全通、毎日のように更新される有料コンテンツ。しかし、こうした「終わりのない課金ゲーム」に、消費者の側が悲鳴を上げ始めている。特に2026年は、長引く物価高と実質賃金の伸び悩みが、趣味に割ける可処分所得を直撃した年でもある。
結果として、かつてのように「お金を使い続けることが愛の証明」とされる空間から、静かに、しかし決定的に足を洗う人々が増えた。彼らは大騒ぎすることなく、ある日突然、公式アプリの登録を解除し、関連アカウントを削除する。この「サイレント・エグジット(静かな退場)」こそが、現在のエンタメ市場が直面している最大の脅威だ。