任天堂が日本国内でWiiの生産終了を正式にアナウンスしたのは、2013年10月のことでした。公式サイトの製品ラインナップページに「近日生産終了予定」との告知が突如掲載され、まもなくして国内向け出荷がすべて完了しました。発売開始から約7年というスパンは、据置型ゲーム機のライフサイクルとしては標準的であるものの、当時の爆発的な普及度を知るユーザーの間では「まだ売れるのではないか」と惜しむ声が相次ぎました。
Wiiの生産終了理由を精査すると、主たる要因は「市場の急速な普及と飽和」、そして「ハード性能の陳腐化」の2点に行き着きます。任天堂の据置型ゲーム機における販売台数推移を振り返ると、2006年の発売から2009年頃にかけて猛烈な勢いで普及したものの、2010年を境に出荷ペースは急激に鈍化しました。直感的な体感アクションは瞬く間に家庭へ浸透した反面、カジュアル層の関心が一段落した後の稼働率低下やソフト購買意欲の減退が業界内の課題となっていたのです。
さらに、当時のテレビ業界ではハイビジョン(HD画質)への完全移行が急速に進んでいました。SD画質(480p)出力にとどまっていたWiiは、大画面液晶テレビの普及に伴ってグラフィック面の見劣りが否めなくなり、サードパーティーの主要メーカーもHD対応のPlayStation 3やXbox 360へと開発の軸足を移していきました。市場の需要が次世代の映像体験へとシフトする中で、任天堂としてもハードウェアの世代交代を急ぐ必要性に迫られていたのです。