なぜ、たった一刺しでここまでの惨事になるのか。蚊が血を吸う際に注入する唾液腺物質に対し、体内の肥満細胞が異常反応を起こし、過剰なヒスタミンを一気に放出することが発端となる。この大量のヒスタミンが強烈な痒みと炎症を爆発させるのだ。
だが、蚊刺過敏症の神髄はそれだけにとどまらない。患者の体内を詳細に調べると、持続感染しているエプスタイン・バーウイルス(EBウイルス)がNK細胞やT細胞内で潜伏・活性化しているケースが極めて多いことが分かっている。ウイルスに感染した免疫細胞が蚊の唾液成分によって刺激され、手に負えないほどの爆発的な免疫暴走を起こすのだ。