尾ぐされ病を引き起こす元凶は、グラム陰性桿菌である「カラムナリス菌(Flavobacterium columnare)」です。この細菌は水中に常に存在する常在菌ですが、以下の要因が重なった際に爆発的な感染力を発揮します。
主なカラムナリス菌の感染原因としては、フィルターの目詰まりによる水質悪化、水温の急激な変化、過密飼育によるストレス、導入時のpHショックなどが挙げられます。魚の免疫バリアである粘膜が傷ついた瞬間、菌が分泌する強力なタンパク質分解酵素がヒレの組織を外側から融解させていきます。
注意すべきは、魚種によって病状の悪化ペースが劇的に異なる点です。とりわけ小型魚であるメダカの尾ぐされ病の進行スピードは極めて速く、初期症状の発見からわずか24〜48時間で末期状態に陥り、手遅れになるケースが後を絶ちません。一方、ヒレが大きく優雅なベタや金魚の場合、ヒレの面積が広いため進行自体は数日かけて進むものの、組織の破壊範囲が広大になるため体力の消耗が激しくなります。