多くの飼育者が直面する最大の疑問は、「ここまでヒレが溶けても本当に助かるのか」という点でしょう。結論から言えば、尾ぐされ病末期からの治る確率は、病変がヒレの軟条(骨組み)の付け根で踏みとどまっているか、それとも胴体の筋肉組織まで深く侵食しているかによって大きく分かれます。
ヒレの先端が白濁する初期、裂け目が広がる中期を経て、末期に至ると尾びれの充血と根元までの融解が発生します。この段階における生存率は一般的に30〜50%程度まで低下しますが、魚が自力で姿勢を保ち、エラをしっかりと動かしている状態であれば、まだ十分に勝機はあります。
一方で、尾ぐされ病の末期で手遅れとなる境界線は「内臓感染」と「体幹部への壊死の拡大」です。菌が血管を通じて内臓に回ると、体表の出血斑や腹水、立鱗(松かさ症状)を併発し、急激に衰弱します。胴体の肉まで赤黒くえぐれる前に対処できるかどうかが、愛魚が助かるか否かの絶対的な分岐点となります。