大きな災害が発生した際、公的な組織である日本赤十字社や自治体の災害ボランティアセンターが主導する救援体制は不可欠だ。しかし、組織的動員には手続きや安全配慮によるタイムラグが生じることもある。そうした中、身一つでいち早く現地に乗り込む個人の俊敏性は、災害ボランティア業界において特別な意味を持ってきた。
彼が頑ななまでに自己資金での活動にこだわるのは、「人にかけた情けは水に流せ、人にもらった情けは石に刻め」という揺るぎない人生観に基づいている。他者からの寄付金や謝礼を受け取れば、純粋な志に甘えが生じる——その厳格な倫理観こそが、日本の社会貢献・福祉の領域に新風を吹き込んだ精神的支柱なのだ。