奇跡のマンモス「ユカ」は今どこに?3.9万年の保存と復活研究の真相

奇跡のマンモス「ユカ」は今どこに?3.9万年の保存と復活研究の真相

奇跡のマンモス「ユカ」は今どこに?3.9万年の保存と復活研究の真相の背景について、専門知識を取りまとめてご紹介します。

ユカが他のマンモス化石と決定的に異なるのは、軟部組織の保存状態が桁外れに優れていた点です。中でも科学界に最大の衝撃を与えたのが、マンモス「ユカ」の脳の保存状態でした。

2013年、ロシア科学アカデミー古生物学研究所などの専門チームによって頭蓋骨が開頭され、史上初となる「完全なマンモスの脳」の摘出が行われました。通常、生物が死を迎えると脳のような軟組織は急速に自己融解や微生物による分解を起こします。しかし、ユカは氷点下の泥土環境で急速凍結されたため、大脳皮質の溝(脳回)や小脳、血管の痕跡に至るまで立体構造がほぼ完璧な形で残されていました。

この解剖学的発見により、ケナガマンモスの脳構造が現代のアジアゾウと極めて類似していること、寒冷地適応のための独自の神経進化を遂げていた可能性などが可視化されました。同年夏には日本でもマンモス「ユカ」の展示がパシフィコ横浜で開催され、冷凍状態で一般公開された実物標本と脳組織の姿は、30万人を超える来場者に強烈なインパクトを与えました。

中川 明日香
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中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。