劇団員殺害事件の現場となった場所は、西武新宿線沿線の駅から徒歩圏内にある築浅の集合住宅でした。オートロックが完備され、防犯設備が整っていたにもかかわらず、犯人が同じ敷地内に潜んでいた「内なる盲点」が防犯上の大きな課題として浮き彫りになりました。
被害に遭った女性は夢に向かって真摯に舞台活動やアルバイトに励んでおり、周囲からの信頼も厚い心優しい人物でした。事件当夜、アルバイトを終えて帰宅した直後に襲撃を受け、部屋のベランダ窓や室内の微細な痕跡が捜査の決定打となりました。当初、現場には犯人の指紋がほとんど残されていませんでしたが、警視庁捜査一課は最新の科学捜査を駆使し、被害者の着衣や遺留物から極めて微量の皮膚片(DNA型)を検出。これが同じアパートに暮らす容疑者のものと一致し、事件発生から約半年後の2016年3月の容疑者逮捕へと結びつきました。