小林綾子の役者人生を語る上で欠かせない恩師が、脚本家の橋田壽賀子です。『おしん』で運命的な出会いを果たして以来、彼女は橋田作品の常連として重宝され続けました。長編国民的ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』シリーズをはじめ、数々のホームドラマで家族の絆や葛藤を演じ分け、視聴者のお茶の間に温もりを届けたのです。
橋田壽賀子が描く膨大で感情豊かな長台詞を完璧にこなし、登場人物の心の機微を表現できる稀有な技術。それは家庭を持ち、別れを経験し、人生の光と影を知った小林綾子自身の人生経験と重なり合うことで、より一層の説得力と深みを獲得していきました。