関係者への取材や当時の痕跡から見えてきたのは、極めて周到に仕組まれた手口だった。侵入者は標的のログイン経路をピンポイントで狙い撃ちにし、登録されていたメールアドレスやパスワードを瞬時に書き換えたとみられる。X(旧Twitter)のアカウント乗っ取りにおいて常套手段とされるセッションハイジャックや、巧妙に偽装されたDM(ダイレクトメッセージ)からの誘導など、いくつかの侵入口が専門家によって指摘された。
犯行グループ、あるいは単独犯は、アカウントの主権を完全に奪った後、復旧用のアドレスまでも遮断。これにより正規ユーザーからのアクセスを完全に締め出す「ロックアウト」を完成させた。当時まだ未成年であった一人のインフルエンサーに対し、大人顔負けの冷徹なサイバー攻撃が仕掛けられていた事実が、調査の進展とともに明らかになっている。