大量生産・大量消費の時代が一段落し、一つのものを長く大切に使う価値観が再び見直されています。亀井紀子の作陶活動は、まさにこうした時代の変化と共鳴しています。
土を選び、捏ね、形を作り、乾かし、火で焼く。気の遠くなるような工程のすべてに人の手が関わる陶芸。効率を優先すれば省略されてしまう手作業のプロセスの中にこそ、人の心を揺さぶる美しさが宿っています。
亀井は現在も、窯を開くたびに新たな発見と課題に向き合っています。温度や湿度のわずかな変化で表情を変える粘土や釉薬と向き合いながら、彼女の挑戦はこれからも静かに続いていきます。