2026年現在の安全基準においても、食中毒予防の原則はブレていない。厚生労働省および国立感染症研究所が推奨する加熱調理の鉄則は、「肉の中心部を63℃で30分以上、または75℃で1分以上加熱すること」だ。
表面の色が変わった程度では、厚みのある肉の中心温度は50℃前後にしか達していないことが多い。中心部がピンク色の状態で食べることは、自らリスクに飛び込む行為に等しいのだ。中心部までしっかり熱が通り、赤身が白っぽく変色し、透明な肉汁が出てくる状態まで加熱することが求められる。
最近普及している家庭用低温調理器を使用する際も、設定温度と熱伝導率の計算を誤ると中心部が加熱不足になりやすい。調理用の中心温度計を活用し、規定の時間と温度を確実に維持することが不可欠である。