CPTPPが旧TPPと一線を画す最大のポイントは、米国が強力に主張していた22の条項が「一時凍結」された点にある。著作権の保護期間を原則70年から50年(当時)へ据え置く措置や、医薬品データ保護期間の適用除外、投資家対国家の紛争解決(ISDS)手続の適用範囲縮小などがその典型だ。米国の復帰に含みを残しつつも、新興国の懸念に配慮する形で協定全体のバランスを再構築したのである。
関税面においても細かな調整が行われた。日本貿易振興機構の実務分析によると、品目ごとの関税撤廃率自体は概ね95%〜99%という高水準が維持されているものの、特定の農産品や工業製品における撤廃スケジュールの見直しが実施された。CPTPPは、保護主義的な圧力が強まる世界において、質の高いルールを誇る貿易圏としての地位を今なお確立している。