国としての取り組みや学術的議論も加速している。文化庁が定期的に実施する国語に関する世論調査では、日本人の語彙選択の二極化が顕著に表れている。日常会話レベルの簡便な語彙で済ませる層と、TPOに合わせて多彩な語彙を使い分ける層の間に、明確なコミュニケーションギャップが生じているのだ。
こうした状況に対し、日本語学会のシンポジウムや研究発表でも、現代社会における語彙運用の精度向上に向けた提言が相次ぐ。単に難しい漢字や古風な表現を覚えればよいわけではない。文脈に即した最適な語彙を選択する力、すなわち「語彙の運用力」を高めることが説得力の根幹であると指摘されている。
公的な報告書や学術論文での評価を高めるためには、時代に即した正しい言葉遣いと、確かな客観性を裏付ける語彙選択が不可欠だ。文化的なバックボーンを理解した上での表現選びは、読み手に対する誠実なリスペクトそのものと言える。