トルコアイスはなぜ伸びる?驚きの粘り気と溶けない秘密を解剖

トルコアイスはなぜ伸びる?驚きの粘り気と溶けない秘密を解剖

トルコアイスはなぜ伸びる?驚きの粘り気と溶けない秘密を解剖とはどんな影響があるのか? 背景や要点を整理してお届けします。

トルコアイスの発祥地として世界的に知られているのが、トルコ南東部に位置する山岳都市カフラマンマラシュ(Kahramanmaraş)です。この地で作られる本場のドンドゥルマは「マラシュ・ドンドゥルマス」と呼ばれ、原産地呼称保護の対象となるほど厳格に品質が管理されています。

アナトリアの険しい傾斜地に自生する野生ランの球根は、春先に手作業で掘り起こされ、洗浄・煮沸・乾燥を経て石臼で微粉末に製粉されます。さらに、マラシュ周辺の高原でタイムや野草を食んで育ったヤギから絞られるミルクは、独特のコクと野性味ある香気を含み、これがドンドゥルマに奥行きのある風味をもたらします。

現地を訪れた旅行者が驚嘆するのが、屋台の店主が見せるあの華麗なパフォーマンスです。コーンを渡そうとしては長い金属棒(ゲルディルマ)でクルリと回して引っ込めたり、客の頭上でアイスの塊を宙返りさせたりする一連の芸当。実はこれ、単なる客引きのための大道芸ではありません。

職人たちの証言によると、元々は「うちのアイスは逆さにしても絶対に落ちないほど強靭な粘度と品質を保っている」という事実を証明する品定めのアクションでした。同時に、ドンドゥルマは氷点下の冷却槽内で放置すると石のように硬直してしまう性質があるため、常に棒で激しく捏ね上げ、空気に触れさせながら最適な弾性を維持するという極めて実用的な作業工程がエンターテインメントへと昇華したものです。

なお、本場マラシュの高級専門店では、ドンドゥルマはコーンで舐め取るものではなく、「ナイフとフォークで切り分けながら食べる肉厚なスイーツ」として供されます。噛み締めるたびにヤギ乳の濃厚なアロマと適度な歯ごたえが広がる食体験こそが、300年以上にわたり愛され続ける原点の姿です。

佐々木 一輝
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佐々木 一輝

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。