ヒットを連発していた陰には、感性だけに頼らない徹底的な「分析家」としての顔があった。恋愛ソングの名手として知られる西野カナだが、その作詞プロセスはまさに職人技だ。
曲作りの際、彼女はノートやパソコンに膨大なシチュエーションやキーワードを書き出し、友人たちとの会話から集めた「リアリティのある情景」を分類・検証していくという。共感できる言葉をあぶり出す作業は、あたかも緻密なリサーチを重ねるマーケティングのプロそのものだ。
感覚的なインスピレーションだけに身を任せず、聴き手がどう受け止めるかを極限まで追求する姿勢こそが、彼女のクリエイティビティの真骨頂と言える。