80年代後半から90年代にかけて、日本の邦楽ロックシーンの頂点に君臨した男闘呼組。その中心で鋭いギターリフを打ち鳴らしていた成田昭次が、突如として表舞台から姿を消した衝撃は大きかった。時代の変化、音楽産業の目まぐるしい構造改変、そして個人的な葛藤。様々な要因が複雑に絡み合い、彼はギターを手放す決断を下した。
彼が次の生き場所として選んだのは、芸能界とは正反対に位置する製造業の世界だ。何万人もの大歓声を浴びていた男が、作業着に身を包み、早朝からタイムカードを押す。過去の栄光をすべて脱ぎ捨て、一人の作業員として汗を流す日々に、彼の不器用なまでの真っ直ぐな覚悟がにじみ出ていた。