長年親しまれたトイザらス昭島店がなぜ撤退に至ったのか。その背景には、小売業界全体の構造変化と日本トイザらスが推進してきた店舗ポートフォリオの再編があります。
第一に挙げられるのが、玩具・ベビー用品市場におけるEC(電子商取引)の急速な普及です。経済産業省の「電子商取引に関する市場調査」でも示されている通り、生活家電・AV機器・書籍・玩具類のEC化率は年々上昇を続けています。特に大型玩具や紙おむつ・粉ミルクといったかさばる日用品は、実店舗で実物を確認した後にオンラインで購入されるケースが増加し、広大な売場面積を維持する郊外型大型店舗の収益モデルに変化をもたらしました。
第二の要因は、周辺大型商業施設へのドミナント戦略とスクラップ&ビルドです。多摩エリアにおいては、近隣に「ららぽーと立川立飛」や「イオンモールむさし村山」など、広大な駐車場と強力な集客力を備えた広域型ショッピングモールが次々と台頭しました。日本トイザらスは限られたリソースをより大規模かつ体験型要素の強い最新フォーマット店舗へ集中させる方針を進めており、昭島店からの撤退と周辺店舗への機能集約は経営合理化の一環であったと分析されます。