二人の結婚生活において特筆すべきは、ステップファミリーとしての成熟した関係性です。田原総一朗氏には前妻との間に生まれた娘たちがおり、節子さん側にも前夫との間に生まれた連れ子がいました。思春期や成人期に差し掛かる子供たちを抱えての再婚は、決して平坦な道のりばかりではありませんでした。
節子さんは無理に「新しい母親」を演じるのではなく、一人の自立した大人として子供たちと真摯に向き合う姿勢を貫きました。それぞれのプライバシーと意思を最大限に尊重しながら、温かい食事と居心地の良い空間を提供し続けることで、家族の間に自然な信頼関係を育てていったのです。
田原総一朗氏も後年のインタビューで、「節子は子どもたちに対して一切の差別や押し付けをせず、本当に公平に、愛情を持って接してくれた」と深い感謝を述べています。複雑な家族構成を愛情と寛容さでまとめ上げた彼女の人間的器量は、家族全員にとってかけがえのない宝物となりました。