天浜線が一躍全国区のトレンドとして若い世代に認知された背景には、現代アニメーションの金字塔的作品との深い結びつきがあります。映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』において、主人公たちが生活を営む避難所「第3村」の情景モデルとなったのが、天竜二俣駅の車両基地や扇形車庫でした。劇中に登場した給水塔や整備工場がそのまま実在する光景は、作品世界への圧倒的な没入感を生み出しています。
さらに、静岡・山梨を舞台にした大ヒット作『ゆるキャン△』シリーズでも、天浜線は重要な舞台として描かれています。特に浜名湖北岸に位置する浜名湖佐久米駅(はまなこさくめえき)は、冬場に何百羽もの野生のユリカモメがプラットホームに飛来する独特の風景と、作中で主人公の志摩リンと各務原なでしこが待ち合わせをしたエピソードが重なり、シーズン中には連日多くのファンが集う名所となりました。
天竜浜名湖鉄道はこれらのムーブメントに対し、非常にスピード感のある企画力で応えています。『シン・エヴァンゲリオン』仕様のフルラッピング車両をはじめ、『ゆるキャン△』ラッピング列車、地元企業の協賛による「KATANA号」や「うなぴー号」など、走る広告塔・エンタメ空間として常時複数のラッピング列車を運行しています。乗車すること自体が旅の目的となる仕掛けが、沿線全体に確かな活気をもたらしています。