長年親しまれてきた旧校舎には、世代を超えて語り継がれる思い出や伝承が幾重にも刻まれている。木造の階段が鳴らすきしみや、夕暮れの理科室に漂う独特の空気感は、かつてのヒット映画『学校の怪談』を彷彿とさせるノスタルジックな情緒を纏う。地元住民にとって、校舎の建て替えは単なる工事ではなく、青春の記憶を見送る出来事でもある。
こうした消えゆく昭和・平成の校舎の姿と、新たな未来へと脱皮する一連のドラマを映像に残そうと、完全密着のドキュメンタリー撮影が進行中だ。カメラは、移り変わる校舎の風景だけでなく、別れを惜しむ児童たちの表情や、現場で葛藤する建設作業員、未来を模索する住民たちの素顔を克明に記録している。