史実の益田時貞が命を散らしてから数百年、天草四郎という存在はフィクションの世界で驚くべき変容を遂げている。山田風太郎の傑作伝奇小説『魔界転生』では、幕府への怨念を抱いて蘇った妖美な魔人として描かれ、映画版で沢田研二が演じた妖艶な四郎像は社会現象となった。
近年では大人気ゲーム・アニメ『Fate/Apocrypha』において、世界の救済を渇望する「ルーラー」のサーヴァントとして登場し、若い世代に圧倒的な知名度を誇る。悲劇的な最期を遂げた美少年指導者という属性は、ダークヒーローから崇高な求道者まで、クリエイターの想像力を刺激し続ける不滅のアイコンとなっている。