椎名林檎、川谷絵音、くるりの岸田繁、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文など、名だたる音楽家たちが口を揃えて称賛する天才と称される理由は、どこにあるのでしょうか。その核心は、既存のセオリーを軽やかに逸脱する技術と表現力にあります。
第一に挙げられるのが、圧倒的なギター実力です。右手のスラップやカッティング、パーカッシブなボディヒットを織り交ぜたアコースティック奏法は、フラメンコやファンクの要素を独学で昇華させたもの。一般的なポップスではあまり見られない不協和音スレスレのテンションコードや、変則チューニングを多用しながらも、キャッチーなメロディラインを破綻なく構築するセンスは突出しています。
第二に、文学性の高い言語表現です。10代前半で書かれた「五月雨」の一節に見られるように、情景描写と内省的な心理描写が抽象度の高い言葉で編み込まれており、聴き手の想像力を激しく刺激します。技術の高さと無垢な感性が共存している点こそ、彼が唯一無二と呼ばれる最大の根拠です。