「まさか自分が騙されるなんて思いもしませんでした」――都内に住む30代の女性会社員は、落胆の色を隠せない。彼女は6月上旬、X(旧Twitter)上で「琵琶湖大花火大会のペア有料観覧席チケット、急用で行けなくなったため譲ります」という投稿を見つけた。定価の5倍にあたる1枚2万5000円。決して安くはない金額だったが、公式サイトでの一次抽選に外れていたこともあり、DM(ダイレクトメッセージ)でやり取りを開始した。
相手は丁寧な言葉遣いで、顔写真入りの身分証明書の画像まで送信してきたという。安心した女性は、指定された個人口座へ指定金額を即座に振り込んだ。しかし、送られてきた入場用QRコードの画像を会場入口の読み取り端末にかざしても、画面には「エラー:無効なコードです」と表示されるばかり。送信元のアカウントは既に削除され、連絡の術は完全に断たれていた。同様の被害は今夏だけで数十件以上確認されている。