熱分解によって発生した「気体」と「液体」が何であるかを科学的に特定するプロセスは、実験室での観察力と論理的推論を問う問題として頻出します。単に「気体が出た」「水滴がついた」と観察するだけでは不十分であり、客観的な指示薬を用いて物質を同定しなければなりません。
まず、発生した気体を集気びんや試験管に捕集し、そこに無色透明の石灰水を注いで軽く振ると、液体は瞬く間に白く濁ります。これは気体が二酸化炭素である決定的な証拠です。石灰水の主成分である水酸化カルシウムと二酸化炭素が反応し、水に溶けにくい炭酸カルシウムの微粒子が生じるために白濁する現象です。
続いて、試験管の内壁や口付近に付着した無色透明の液体に対しては、塩化コバルト紙を接触させて判定を行います。もともと青色を呈している塩化コバルト紙が、水分に触れることで鮮やかな赤色(または薄いピンク色)へと変色することを確認します。この色の変化により、発生した液体が水であることが証明されます。教育現場の実験レポート指導でも「青から赤」という色の変化プロセスを明記させることが徹底されています。