なぜ、これほどまでに人間は外国語の歌詞を日本語として聞き間違えてしまうのか。タモリと安齋肇の絶妙な掛け合いの中でも度々議論されたこのテーマには、音響学的な偶然と視覚効果の心理的トラップが巧妙に仕掛けられている。脳は意味のない音の羅列を嫌い、知っている言語のパターンへ強引に当てはめようとする。その脳の錯覚を完璧に突いたのが投稿者たちの鋭い聴覚だった。
「まさかそんな風に聞こえるはずがない」と半信半疑で耳を傾けたタモリが、曲が流れた瞬間に「聞こえる!確かに聞こえるよ!」と膝を打つ。ソラミミストの安齋肇が見せる独特の脱力感あふれるリアクションも、その場のグルーヴ感を大いに高めていた。二人の長年の信頼関係が生み出す空気感こそが、ネタの面白さを何倍にも増幅させる触媒となっていたのだ。