五十肩の治療において最大の敵となるのは、実は肩の構造そのものよりも「早く元の生活に戻りたい」という焦燥心理です。人間関係や職場環境で責任ある立場を担う40〜50代は、腕が動かないことへの不便や仕事への支障から、「即効性」を謳う施術にすがりがちです。しかし、治癒プロセスをショートカットしようとする心理的プレッシャーこそが、無理なストレッチや不適切な施術を選ばせ、症状を慢性化させる引き金になります。
自身が今、セルフケアを行うべきか、直ちに高度医療機関を受診すべきかについて、明確な線引きを持っておく必要があります。
ガッテン流セルフケア・体操をおすすめできる人
・急性期の激痛が治まり、鈍い張り感やつっぱり感が主症状の「拘縮期・回復期」にある人
・他人の手を借りれば、ある程度まで腕が自然に上がる人
・就寝時の激しい自発痛(夜間痛)がすでに消失している人
・医師から明確に「肩関節周囲炎」と診断され、可動域訓練を推奨されている人
セルフケアを中止し、即座に整形外科を受診すべき人
・安静にしていても肩がズキズキと激しく疼き、夜間に何度も目が覚める人(炎症期)
・転倒や打撲、重い物を持ち上げた後に急激に肩が動かなくなった人(腱板断裂の疑い)
・腕を他人に持ち上げてもらっても激痛で全く動かない、または他動でも上がらない人
・発熱を伴う場合や、肩関節全体が赤く熱を持って腫れ上がっている人(化膿性関節炎等のリスク)