タイヤの空気圧が規定値より低下すると、車両の走行性能や経済性、さらには安全性に対して直接的な悪影響が生じます。日本自動車タイヤ協会(JATMA)の調査データによると、適正値から50kPa(約0.5kgf/cm²)不足した状態で走行した場合、市街地で約2%、郊外・高速道路では約4%も空気圧低下による燃費悪化が発生すると報告されています。
燃費悪化以上に恐ろしいのが、高速走行時に発生するタイヤのバースト事故とその原因です。空気圧が著しく低い状態で高速走行を続けると、タイヤのたわみ運動が連続して波状に変形する「スタンディングウェーブ現象」が発生します。この現象が起きると、タイヤ内部で急激な発熱が生じ、ゴム材と補強コードが剥離して一瞬で粉砕・破裂(バースト)に至ります。
高速道路でタイヤがバーストした場合、ステアリング操作が一切効かなくなり、スピンや横転、後続車を巻き込む大事故に直結します。事故を防ぐための唯一にして最大の対策は、定期的な空気圧チェックの頻度を「月1回」と定め、長距離ドライブの前には必ず点検を実施する習慣を身につけることです。