ルーツが米国にあったとしても、広島東洋カープが半世紀以上にわたって掲げ続ける「C」には、球団と広島の街が歩んできた独自のアイデンティティが色濃く刻み込まれています。
1950年の球団創設当初、カープの帽子マークは広島の頭文字である「H」でした。その後、丸みを帯びたブロック体の「C」を経て、1973年から1975年にかけて現在のウィッシュボーンCへと定着していきます。この「C」には、単なるチーム名(Carp)以上の四重のシンボリズムが込められています。
- Carp(鯉):広島城の別名「鯉城」に由来し、激流を登り龍となる不屈の象徴。
- City(都市):戦後の焦土から復興を遂げた広島市そのものを代表する誇り。
- Citizens(市民):特定の親会社を持たず、市民のカンパ(たる募金)によって支えられた「市民球団」の原点。
- Combined(団結):球団、選手、広島市民、全国のファンが強固に結びつく結束力。
ただのデザインの模倣に留まらず、被爆からの復興と市民球団の誇りを象徴するエンブレムへと昇華されたからこそ、半世紀を経た現代でも広島の街に欠かせないシンボルとして愛され続けています。