よく「美人が変顔をするからギャップがあって面白い」と言われる。確かにそれも一理ある。しかし、彼女の表現はそんな単純な二元論では片付けられない。彼女の変顔には、計算し尽くされた「間」と「角度」が存在する。どのタイミングで目を剥き、どの角度でカメラに顔を晒せば、観客の笑いのツボを最も効果的に刺激できるか。彼女はそれを本能的、あるいは極めて論理的に理解している。
コメディにおいて、タイミングのズレは致命傷になる。彼女の変顔が常に爆笑を生むのは、共演者との掛け合いや、セリフのテンポと完璧にシンクロしているからだ。ただ顔を崩すだけなら誰でもできる。それをエンターテインメントの芸術にまで昇華させている点に、彼女の非凡な才能が光っている。