缶を開ければすぐに飲めるRTD(Ready To Drink)市場は、近年の酒類市場において目覚ましい成長を遂げてきた。その立役者となったのが、サントリーホールディングス株式会社が展開する「196℃ ストロングゼロ」を代表とするアルコール度数9%前後の高アルコール系チューハイである。従来のビールや清涼飲料水テイストの低アルコール飲料とは一線を画し、コストパフォーマンスの高さと強烈な飲み応えで一気にシェアを拡大した。
しかし、成長の陰で公衆衛生の観点からの懸念が急速に膨らんだ。1缶100円強という駄菓子感覚の価格設定でありながら、9%という高濃度のアルコールが含まれているため、少額で急速に酔うことができる。この経済的・心理的な手軽さが、結果としてアルコール飲料業界全体に対する規制議論や社会的責任を問う声へと発展していくことになる。