ネット上の考察やファンの間で、リメイク先の最有力候補として真っ先に名前が挙がるのが「TBS系・日曜劇場(毎週日曜21時)」です。これには単なるファンの希望的観測にとどまらない、極めて明確な3つの理由が存在します。
第1に、日曜劇場が築き上げてきた「骨太な企業再生劇」のフォーマットとの親和性です。『半沢直樹』や『下町ロケット』に代表されるように、巨大な利権や理不尽な組織構造に立ち向かい、緻密な戦略で逆転を果たすストーリーラインは、日曜劇場の十八番です。『ストーブリーグ』の主人公ペク・スンスが繰り広げる年俸交渉、派閥争いの打破、スカウト陣の癒着追放劇は、日曜劇場の視聴者層である中高年ビジネスパーソンに完璧に刺さる構造を持っています。
第2に、同枠が有する「野球描写の圧倒的な実績とノウハウ」です。社会人野球部を描いた『ルーズヴェルト・ゲーム』(2014年)や、高校野球の現場をリアルに再現した『下剋上球児』(2026年)など、日曜劇場はCG技術と実在の球場ロケを融合させたダイナミックな野球シーンを成立させてきた国内唯一無二の制作体制を誇ります。
しかし、日本版の実現には「NPB(日本野球機構)の壁」という極めて高いハードルが立ちはだかります。韓国版の『ストーブリーグ』では、実在のKBO(韓国野球委員会)所属チーム(SKワイバーンズ等)がロケ地やユニフォームの撮影協力を行いました。一方、日本のプロ野球12球団はコンプライアンスやブランドイメージ管理が極めて厳格です。作中で描かれる「ドーピング問題」「ドラフト不正入札」「親会社による球団売却」といった生々しいスキャンダルを扱うにあたり、実在の球団や球場がどこまで撮影に協力できるのか。この権利関係のクリアランスこそが、企画実現に向けた最大の交渉課題となっています。