ネット上のスポーツコミュニティやSNSでは、「スタメンがコロコロ変わる監督は無能」「固定メンバーで戦うのが強いチームの条件」といった言説がしばしば見受けられます。しかし、これは現代スポーツのデータサイエンスを無視した典型的な誤解です。
かつての昭和・平成初期における「ベストナイン固定」「不動の11人」という発想は、交代枠が少なく、フィジカルデータのリアルタイム追跡が不可能だった時代の産物です。現代のトップクラブでは、年間60試合前後を戦い抜くために「22人の主力を均等に戦力化する」スクワッド(分厚い選手層)運用が不可欠となっています。
したがって、「スタメンから外れた=評価が落ちた」という短絡的な見方は現代のプロシーンには適合しません。むしろ「相手の弱点を突くための切り札として後半から投入する」「次節の天王山に向けて体力を温存させる」といった、高度な戦略的意図によるスタメン外しが主流となっている点を見落としてはなりません。