どれほど練り上げられたPOSシステムであっても、極めて稀に打ち間違いが発生することがあります。現場の分析から見えてくるスタバのレジ打ち間違いの主な理由には、スターバックス特有のオペレーション構造が関係しています。
その筆頭が「変更」と「追加」の取り違えです。例えば「バニラシロップ変更」と「バニラシロップ追加」では、画面上でタッチすべきボタンの階層が異なります。元からシロップが入っているドリンクか否かでレジ上の処理ルートが分岐するため、新商品が頻発する時期には一瞬の判断ミスが生じやすくなります。
こうした事態を未然に防ぐため、すべての新人が受けるスターバックスのパートナー向けレジ研修は非常に厳格です。研修生(グリーンエプロンを着用し始めたパートナー)は、まずモジュールと呼ばれる座学とシミュレーターを通じて、全ビバレッジのベース構造とカスタムボタンの位置を徹底的に頭へ叩き込みます。先輩パートナーが顧客役となって複雑なカスタムを連続で発注する「モックレジ(模擬トレーニング)」を何度もクリアして初めて、実際の店頭レジに立つことが許されるのです。