札幌市の中央に位置するすすきのは、無数の飲食店がひしめき合う日本有数の繁華街だ。その中心部にありながら、一歩足を踏み入れればタイムスリップしたかのような錯覚に陥る場所、それが「ウタリ」である。北海道の豊かな食文化を支えてきた外食・居酒屋産業の歴史において、同店は札幌最古の老舗として確固たる地位を築いてきた。
店内に鎮座する巨大な囲炉裏と、それを囲む年季の入ったカウンター。時代が令和へ移り変わり、2026年を迎えた現在も、創業当時の雰囲気と熱気は少しも失われていない。アイヌ語で「仲間」や「同胞」を意味する言葉を店名に戴く通り、ここには客同士、そして店主との自然な交流が生まれる独特の温もりが生きている。