2000年代以降、音楽業界はデジタル配信とストリーミングの時代へと大きく舵を切った。その波の中で、『楓』は再び脚光を浴びることになる。YouTubeでの公式MV再生回数は数千万回を超え、Spotifyなどの主要ストリーミングサービスでも毎月膨大な再生数を記録し続けている。海外のJ-POPファンやチルアウト系プレイリストを通じて、言語の壁を超えたリスナーを獲得している点も興味深い。
ストリーミングプラットフォームの普及は、過去の楽曲がリアルタイムで世界に評価される環境を作り出した。アルゴリズムによって秋のプレイリストや懐かしの名曲としてレコメンドされることで、リアルタイムで1990年代を体験していない10代・20代の若者たちが日常的に『楓』を聴く現象が起きている。デジタル空間で新旧のリスナーが交差し、名曲の価値が再定義され続けているのだ。