2026年3月末、長年メインボーカルとしてフロントに立ち続けた長瀬智也がグループを離れ、ジャニーズ事務所(当時)を退所しました。この脱退の背景にあったのは、「バンドとしての生演奏ができないのであれば、TOKIOとしての音楽表現を完遂できない」という、ロックミュージシャンとしての純粋かつストイックな矜持でした。2018年以降、ベース担当メンバーの離脱によってバンド活動の継続が物理的に困難となった現実に対し、妥協した形での音楽活動を良しとしなかった長瀬の決断を、城島たちも深く理解し、尊重した形で送り出しました。
その後、残された3人によって設立されたのが「株式会社TOKIO」です。城島が代表取締役社長に就任し、福島県西白河郡西郷村の広大な土地を活用した「TOKIO-BA(トキオバ)」プロジェクトをはじめ、第一次産業や地域活性化を軸とした新たな事業モデルを確立しました。この転換によって、かつてのような定期的なライブツアーや新曲リリースといった音楽活動は事実上の「無期限休止」となっています。
ファンの間で定期的に巻き起こる「TOKIO復活」「一夜限りの再結成」の噂について、舞台裏の状況を取材した業界関係者は慎重な見方を示しています。現在、長瀬智也は自らのコミュニティで妥協のないアンダーグラウンドな音楽表現を追求しており、一方の株式会社TOKIOは地域社会や行政、多くのクライアント企業を背負う立場にあります。それぞれが選んだフィールドにおいて全力で責任を果たしているからこそ、商業的なノスタルジーによる軽薄な再結成には踏み切らないのが彼らの誠実さと言えます。